文豪とアルケミスト・審判の歯車
第七話「地獄変」後編

前編が楽しい農作業だったのに。
「地獄変」どこ行った?
とか思っていたのに。
わずかなラストで一気にやられました。

先生!

すでに転生している文豪の本が侵蝕されたらその文豪はどうなってしまうのかと思っていたのですが。
ああなってしまうのですね。
苦しんで消えていく姿も素敵です。

いよいよ地獄変の始まりです。
前編の時も書きましたが。
先生の首くくりを考えると胃を吐き出しそうなほどの思いでした。
原作での描写はないからおそらくないんじゃないかなとは思いますが。
それでもやっぱり……むり。

こんな思いで次の話を待つのはアニメにしてもドラマにしても初めてじゃないかな?
ハマってるなぁ。

先行カットには谷崎さんがいらっしゃいましたね。
今回登場なんですよね?
出されたカットをよく見ると太宰と志賀さんは潜書を拒否されているようなので。
ここは「月に吠える」の時のように転生してきた谷崎さんが潜書するのかなと。

記憶がないと言っていた先生ですが。
かつて論争を繰り広げた谷崎さんを無意識に呼んで、自分の考え方とかを思い出そうとしているのかな?
なんて予想してみました。

そのへんもソワソワでしたよね。



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図書館で文豪たちが揃っているなか。
今週も藤村のレクチャーが始まるかと思ったらOPに入ってしまいました。

でも!
後ろ姿!
先生の!
後ろ姿!!

OPが終わると本格的レクチャーが始まります。
「地獄変」のあらすじ。
短い尺で知らない人にもストーリーを分かるように説明するのって難しいですよね。
でも藤村の声が聞いていて気持ち良いです。

っていうか。
誰も潜書ができないとか。
初めての事態らしいです。
それは本が消えるのを邪魔してほしくないんだろうと言う志賀さん。

先生……。

そうなると。
正反対に誰でも潜書できてしまった「月に吠える」の朔ちゃん。
可愛いなぁ。

そして今度は志賀さんが説明してくれます。
芸術至上主義と「文芸的な、あまりにも文芸的な」。
筆跡をいちいち似せてくるのがニクイです。

この谷崎さんとの論争は「文豪とアルケミスト 文学全集」にも載っていましたね。
改めて読み直してみました。
ああいうのは集中して読まないと文字を目で追っているだけになってしまうので本当に疲れます。

芸術のためならすべてを犠牲にしてもいいという芸術至上主義、って説明をしていましたけど。
改めて調べてみると、真の芸術は何物にも捉われるものではなくて。
反社会的だろうが倫理から外れていようが、いいものはいい!
みたいな?

先生と志賀さんのことは、先生が我孫子に訪ねて行ったくらいしか具体的には知らなくて。
あとは普通に憧れていたと。
そのうちいろいろ読んでみたいと思います。
最近は作品も読みますけど、それより他の文豪について書いているエッセイのようなものを読むのが好きです。
関係性が分かって面白いですよね。

まあ、それは置いといて。

「あの頃」のことを語る志賀さん。
なんとなく太宰が睨んでる感じ?

とりあえず。
二人の論争シーン、すっごくいいですよね!
先生の着ている羽織り(?)の模様がアニメでは省略されてしまっているマントの裏地の模様!
ゲーム内でも自分の作品を否定する先生に谷崎さんが手紙を送っていましたよね。
漱石先生からきた手紙がまた可愛いです。
甘いものと猫のぬいぐるみ(笑)。
また関係ない話になりましたけど。

過去の作品を否定したことに対して藤村が「ぶれている」と。
んー、ぶれているって言うのかな。
考え方も作風も変わることってあると思うけど。

いたたまれなくなった太宰が向かった先は潜書部屋(?)。

転生した文豪が囚われるのもまた初めてのことだとか。
何もかも初めてづくし。
さすがは先生。
素敵です。

そこに無理やり潜書しようとする太宰。
ん?
図書館で侵蝕されたらどうなるの?
図書館では死ななかったよね?
一緒に本に呑み込まれるの?
あれ、それって潜書とは違う??

志賀さんもやってきて二人でむりやり潜書に挑戦。

「俺もリュウに言いたいことが山ほどあるんだ」

あの論争では志賀さんの作品が引き合いに出されたりしているから。
思うところがあるのかな。
作品を否定したことに志賀さんも一言、言いたいのかな。

「聞き分けのねえこと言ってんじゃねえぞ」

あー、この言い方好き。

館長室の石が光って……

谷崎さんくるか!?

と思ったら。
違いました。
あれ?
来るんじゃないの?
谷崎さん?

密談ルームの外みたいな所。
本が塵のように浮かんでいて。
先生もいらっしゃる。

「頼むよ、僕の本を」

おっと。
先生のお許しが出た?
この先生は何?

作品を消したい先生は潜書を拒んでいたけど。
内心では望んでいた?
心の奥では作品を否定しきれていなかった?

まだまだ謎の部分が多い先生。
素敵です。

やってきた「地獄変」の中。

あー、先生がいらっしゃる!
いえ、良秀ですけど。
素敵なお姿です!
周りからはひそひそされているけど。
なんと素敵なクールビューティではありませんか!
先生は何をお召しになっても素敵です。

そして娘さん、可愛い。

潜書した太宰。
なんかちょっと先輩面してる?(笑)
志賀さんは潜書初めてだよね?
でも知識は与えられているんだから、何をしなきゃいけないかは分かってるんだよね?

で。
太宰。
お食事中の先生のお宅にお邪魔して。
あー、先生のお上品なお食事姿にうっとりです。
一話の文豪グルメでも「育ちの良さ」がにじみ出ていらっしゃいました。

どうするんだろうと思ったら。

「弟子にしてくだ……」
「断る」

はやっ!
弟子希望者が意外に多くてしょっちゅう断ってたりして。

「大ファンなんです!」

もう、素だな、これ。
実際、作家生活が同時期にあったらどうしてたんだろう。
確か先生の講演会を聞きに行ってはいたよね、太宰。
でも作家として、って考えると。
緊張しすぎて会いにいけない?
でも会えたら感動ものだろうなぁ。

そう考えると。
会うはずのない作家同士が会える場所、ってコンセプトはすごく魅力的ですよね。
特に漱石と先生!
この二人が再開するって……もう感動ものでしょう。
ゲームを始めたころ、それだけでムネアツでしたよ。

さて。
可愛い娘さんのおかげで無事に弟子入りした太宰。
志賀さんは木の上。
にっこりな娘さんにむすっとした顔の先生。
娘さんとの暮らしを派手な不審者に邪魔されたくない感じかな?

そう。
衣装のことも考えたんですが。
時代にそぐわない衣装ですよね、太宰のとか。
そんな服で不審がられないのかって。
でもそのへんはゲームのノベライズ「顔のない天才」を参考に考えました。
この本、すっごくお勧めなので。
読んでいない方はぜひ読んでほしいです!
これも潜書先が「地獄変」なんですよね。
ほんと、お勧めです!

そう。
娘と暮らしているから。
大殿のところに娘があがる前ですよね。
なんかとっても楽しそうな生活。

ご飯食べたりドクダミの花を描いたり薪割ったり魚捕まえてご飯食べたり。
物語の展開が止まっていて話が進まない。
んー、なんかいいんじゃないかな?
話が進まないなら、いっそこのまま楽しく暮らしちゃえば?
ダメ?
話が止まってても侵蝕は進んでいるのかな?
娘婿とお父さんみたいで微笑ましいじゃない?

でもちゃんと話を進めようとする太宰、偉いです。

侵蝕者は大殿の肩に?
猿?
猿が侵蝕者?

太宰が出ているすきに今度は志賀さんが良秀宅に。

「お前が書きたかったのはこういう物語だったのかもしれない」

志賀さんから見たらあの頃の先生はどうだったんだろう。

そして初シーン。
本が武器になった!

アニメでは本が直接武器になるんですね。
私はゲームの本から浮かんできた文字が武器を形成するのが好きだなぁ。
綴った文字が武器なのか、作品として仕上がった本が武器なのか。
上手く言えないけど、ちょっと意味合いが違う気がします。

でもなぜ先生に武器を向ける!?
作品を消そうとしてるんじゃないことは確かだろうけど。
んー、志賀さんどうしたいの?

地獄変は自分をくいつぶすために生み出した呪いみたいなもの

……呪い。
こわいな。
先生がどうしてそういう考えになってしまったのかいろいろ調べたり考えたりしてみたんですけどね。
読めば読むほど混乱して考えがまとまらなくなります。
子どもの頃からのコンプレックスとか性格とかからの積み重ねだったり、周囲との関係だったり。
難しい……。

とにかく。
話は無事に進んで。
娘が大殿のところに召されてしまいます。

帰りたがっている娘のために父親の絵をそばに置いてやりたいと。
でもなぜそこで「地獄」を選ぶのか。
原作では娘が大殿の御意に従わなかったから、なんて噂もあったそうですが。
良秀が見たものしか描けないから、それを知っていてあえて無理難題をふっかけたのかな。

はなから
「こんな地獄は気に入らぬ」
なんて難癖つけるつもりだったとか。
まあ、そんなところも置いといて。

地獄の屏風を描くことを決めた良秀。

きた!
今回唯一のお笑いシーン。

縛られる太宰。
更に縛られ吊るしあげられる太宰。
ミミズクにつつかれる太宰!

原作ではけっこう悲惨なシーンだったけど。
なに、このお笑いシーン。
楽しい。
ありがとうございます。

それでも描けない良秀。
真ん中に空白があって横に牛車がある?
中央に牛車じゃないの?

描けないことを大殿に訴えるわけですが。

原作では女房の語りになっているので、彼女の目を通すといい大殿っぽいですよね。
でもこの大殿。
けっこうゲスい感じ。

完全に意のままにならない娘への腹いせ?
彼女を奇麗に着飾らせて牛車に乗せて。
(娘、可愛い……)
そのまま焼いてしまおうっていうんだから。
普通に考えて人の心がないでしょう。

でも今の時代と違うから。
人の命も軽かったんですかね。

燃える牛車を見つめる良秀の表情、すっごく好き。
で。
もちろん娘を助けるんですよね。
手をひいて逃げた先に太宰。
背景が侵蝕世界になってる。

「そうじゃないんです」

ああ、太宰も辛いだろうな。
助けたいよね。
楽しい日常送ってたし。
でもちゃんと仕事をする太宰、かっこいいです。

が!
娘!

「だぁいすき」

って……声が……おまえ
お前かー、侵蝕者!

太宰に「芥川先生」って呼ばれて、何か感じるものがあったのかな。

しかし、娘。
予想外にアグレッシブ。
そういう闘い方でくると思わなかったですよ。
太宰、ピーンチ!

と思ったら。
どうした、娘侵蝕者?

え?

志賀ー!

タイトル音楽背負って志賀さんきたー!
かっこいーっ!
完全にヒーローですよーっ!

なに、あの時そんなことをしていたんですか?
ってういか。
その遅効性の技は何?
先生を斬ると見せかけて油断させて娘を斬ってたの?
技巧派だな。

しかしあの段階で娘が侵蝕者って、どうして気づいたんですか?
さすがは小説の神様です。
神様はなんでもお見通し。

先生にしても志賀さんにしても。
ホウレンソウは大事だと思うよ。
ちゃんと教えてあげようよ。

そのあとの志賀さんの言葉がまたいい!

描いた直後は自画自賛
翌日は反省と後悔
三日目には愛おしくてたまらなくなる

あぁ、すっごい分かる。
数年たつと気恥ずかしくなったりするんですよね。
でも本当に可愛い我が子なんです。
馬鹿な子ほど可愛かったりするんです。
多分、この言葉に激しく同意した方、大勢いらっしゃると思います。
作品を作るって、そういうことですよね。
私もコミケに小説でサークル参加していたりしたもので。
てへ。

志賀さんは作品を否定したりはしない。
書いた人の心境も否定しない。
生み出された作品は作品としてあるべき。

地獄変も先生の魂の一部

ああ、志賀さん!
ほんとなんてかっこいい人なんだろう。
ため息出ます。
ほっんとかっこいい。

侵蝕猿を追い詰める志賀さんと太宰。
あぁ、これはもう大丈夫ね。

と思ったら。
逃げようとする娘の足を捉えて……

え、ちょっと?
なに?

一瞬、太宰に
「俺ごとコイツを刺せー!」
とか言い出すかと思って焦りました。
いや、ほら。
時代劇とかによくあるじゃないですか、そういうの。

でも違った。

「よく見てろ」

……って。
え、ちょっと待って待って待って。
考えが追い付きません。

羽交い絞めにされて悶える猿。
それを目に焼き付けようとする良秀。
でも猿……でいいの?
なんて思っていたら。

猿が消えた。

いやいやいやいや、ちょっと待てぇー!
志賀さん!
なんでじっと立ってるの!
逃げなさいよ!
猿消えてるから!
えぇえええ!?

良秀、涙を流しています。
これって、良秀の中の先生の涙ですね。
つか、太宰!
うっかり先生に見とれてしまうのも分かるけど、志賀さんを助けてあげてー!

後でじっくり見て分かったのですが。
猿が消えた直後。
志賀さんがニヤって笑ってるんですよね。
志賀さん、あんな笑い方しないですよね。
猿が志賀さんの中に入ったの?
とりつかれた?

逃げられないからせめてこいつも道連れにしてやろう的な?

そしてまさかの。
まさかの。

地獄変の屏風の中央に志賀さんが!

えー???
それでいいの?
ダメだよね?

そこは牛車の中で燃える娘じゃないとまずくないですか?

牛車が横にいってるのはまあ差し引いても。
燃えるのは娘じゃなくていいんですか??

いや。
阿鼻叫喚の地獄に静かに佇む男。
っていうのもドラマ的ですけど。

違うよね?
娘だよね?
でも本は浄化された?
いいの?

そして残された歯車をムシャに渡して……

つまりは……

絶筆?

絶筆ありなの?
そうなの?
このアニメ……

絶筆ありなの?

油断してたわ。
こんなことがあるなんて。
しかも志賀さん、出てきたばっかりじゃないですか。
ムシャぁ……。
転生してまで親友を失うなんて。
辛すぎます。

そういえばゲームで毎日、歯車取りに行ってるじゃないですか。
あれって……遺品回収だったんですか?
散っていった文豪たちの魂を使って強くなる?
まじか……。

でもここで終わらせないのが文アルアニメ。

先生が!
先生が!!
先生がー!!!

なんかくっついて来ちゃったんじゃないですか?
志賀さんにとりついたんじゃなかったの?
え?
どういうことなの!?

この状態で一か月待たせるの?

ひどすぎる。
アニメスタッフさん、人の心がなさすぎる。
いや、人の心があるからこそ人を焦らす術を心得ているのか。

あとで文アニ実況を見たら
あれは浄化完了じゃなくて潜書完了なんじゃないかと。

あぁ、そうか!
そうだよね!
なるほど……。

ってことはまた地獄変に潜ったりとかあるのかな。
それともこのまま?
屏風絵があれっていうのは納得できないですけど。

そういえば良秀の首くくりはちらっとも触れられませんでしたね。
よかったです。
足ぶらーんとか出たらけっこう立ち直れなかったかと思います。

あぁ、しかし!
ほんとになんてアニメを作ってくださったのでしょうか。
たまらなく大好きです!

さ、お待ちかね。
どんなに辛い内容でもここだけは天国な文豪グルメ
[カツサンドはさておき美女をおもふ編]

おっと、谷崎さんがいらっしゃった。
龍之介の部屋?
ゲストは谷崎さん?

カツサンドとコーヒーまではよかったけど。
ハイヒールw

谷崎さん、何を言っているのかよく聞こえませんが。
太宰プロデューサー大慌て。
可愛い~。

あれ?
そういえば谷崎さん。
回想のみのご出演でした。
え?
転生してこないの?
あれ?



ゲームの地獄変イベント。

ボス。
相変わらず奇麗な背景です。

うちの先生はすでに刃でも銃でもカンストしてしまっているのですが。
やっぱりここは先生を使いたかったので。

イベント衣装は「弟子風衣装」

藤村と

谷崎の緊縛……




ステップアップ召装

地獄変 – 志賀直哉 Lv.1

地獄変 – 志賀直哉 Lv.3

「膨大な本の中から一冊を選び取る。それはある種の運命といえるだろう。
 彼の辞書に妥協という文字はない。
 言葉一つ一つに魂が宿るのだから」

地獄変 – 太宰治 Lv.1
「墨を浸した筆が辿る線は、瞳が映すものを捉えんとする」

太宰は一枚しか出ませんでした。
カッパワニ描いてる!
そうだよね!
もとは先生が描いた絵だもんね!

そして最後に。

さっきもチラッと書きましたが。
ゲームの公式ノベライズ
「顔のない天才」

これ、ほんっとに面白いです。
潜書先はこちらも「地獄変」。
なのでアニメで地獄変をやると分かった時に、原作とこちらも一緒に読み返しました。

アニメの図書館とはいろいろ違うし、潜書先での行動もこちらはミステリーを解いていくような感じです。
作者と読者の関係とかも、ハっとさせられます。
なにより先生が本当に素敵です。
登場文豪は
潜書するのは芥川先生、菊池寛、堀辰雄、谷崎さん
他に志賀さん、久米正雄
アニメには出てこないけど「館長」もいらっしゃいます。

全員アニメに出てくる文豪なので。
アニメが終わってから読んでみるとイメージわきやすいかもしれないですね。

表紙の先生の衣装がこちら

手にしているのは新潮文庫の「地獄変」
これ 、左の本↓

ちなみに右の集英社のは漫画家さんコラボ。
デスノートの小畑健氏。
これはアニメ「青い文学シリーズ」とタイアップしたんでしたよね。
青い文学シリーズの「走れメロス」と「人間失格」が大好きです。

そして次がその「人間失格」なんですよね。
もうスタッフさん、容赦ないです。
好き。



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