文豪とアルケミスト・審判の歯車
第十話「藪の中」



前回の劇場版クオリティ第九話。
まるでジェットコースターのような神回でしたが。

今回は「藪の中」。

寛をはじめとする新思潮派がやってきたのはいいとして。
というか、

寛!
まじで待ってた!!

その新思潮派に先生がいらっしゃったものだから、まじ地獄。

そして「藪の中」。

登場人物三人が三人とも違う供述をしている話。
誰が本当のことを言っているのか、誰も本当のことを言っていないのか。
立っている立場が違えば見えてくるものも違う。

というか。
「藪の中」に潜書するってことは、また先生が本に囚われるってことでしょう?
でもそれはどっちの先生?

もう全く話の予想がつかないけれど。
とにかく「藪の中」だけ読み返しておきました。

予習はできています。
覚悟もできています。

さあ、こい。



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先生が転生していらっしゃいました。

サイの時は原稿(?)がばらばらと散ったりしていたし、まとめて新思潮のときはバチバチ大変なことになっていましたが。
先生の転生は静かでしたね。
散らばる原稿がなかっただけ?

この時点で他に誰がいたんでしょう。
やっぱり秋声が一番乗りだったのかな。

アルケミストから授かるはずの知識がないまま転生してきた先生。
もう最初から例外的な感じじゃないですか。
先生ご自身も自分が芥川龍之介であることにぴんときていないご様子。

ぼんやりとしている先生も素敵です。
(……先生には「ぼんやり」とか言わないほうがいいかもしれない)

ここでOPが始まって。
私はとんでもないミスを犯しました。

なんと。
トイレに立ったのです!

まあ、いつものOPだし?
本編、気兼ねなくゆっくり見たいし?
なんて思いながら。
戻ってきたらCMで、よしよし間に合ったと。

そんな自分を今は縄で縛り付けてやりたいです。
動くんじゃねぇ、と。

いや。
本編が終わって、速攻二回目を見たんです。
そうしたら……

そうしたら……!

なんですかー!
あのOP!?

寛が!
寛が!!

車に乗ってるじゃないですかーっ!!!

え?
パウリスタは?
なんでここで変えるの?
しかも……しかも……

この車に乗るのって、寛が先生の死後に書いた「芥川の事ども」に出てきた話じゃないですか?
料亭での座談会の帰り。
先生と目が合って、なにか話したいことがあるんだろうと感じたけどその時にはもう車が走り出してしまった。
その後、先生が自殺してしまい寛にとっては
「一生涯僕にとって、悔恨の種になるだろうと思う」
と。

そんなエピソードをもってくるとか!
しかもあんな前回の地獄のようなラストの次に。
切なすぎます。

同時に先生の「兄貴のような心持ち」も一緒に読んでほしい。
どちらも青空文庫にあるので。
読んだことない方はぜひぜひ。

まあ、そんなわけで。

なんじゃこりゃぁ!

と。

他にもたっちゃんこ、檀くんもいましたね。
先生の戦闘シーンで何かいつもと感じが違う?
と思って見直したら。

侵蝕者がいたはずなのに、それが久米に変わってる!
え、ちょっと。
それどういう状況?

これが最初からなら、一緒に戦ってるんだな。
それとも先生の後を追いかけてる?
なんて思ったのでしょうが。

今の状況だと、そもそもその先生はどっちなのよ、と。
(それを言うならエンディングの先生もどっちなんだと)
まさか侵蝕者として追われてるんじゃないでしょうね。
とか考えてしまいます。

もうスタッフさん。
たまりません。
好き。

他にも細かいところで変わってるかと思って何度か見てみましたが。
他は変化ないですか?
見落としているかもしれませんが。

あー、ほんとびっくりしました。
迂闊にトイレに立つものじゃありませんね。

エンディングも期待していいですか?

あ、OPのタイトルが入るあたりでぱらぱら捲れる本。
あれって「藪の中」じゃないですか?



自分のあやふやな状態を猫に説明する先生。
声に元気がありません。
猫には「不具合」とか言われるし。
猫さん、その言い方、やめてさしあげて。

しかし猫。
上官としては上手く仕事に導いたじゃないですか。
見透かされているとはいえ、上手いな。

「正直でけっこう」
って言い方、素敵です。

でも
「欠落した僕」って言わないで。
確かに記憶は抜けているけど。



あれ?
これは第一話?

第一話を先生目線で!?
なんという!

先生、太宰の四メートルの手紙の事知ってた(笑)。
図書館には文学作品だけじゃなくて書評とか文学アルバムみたいなものもあるのかな?
でも先生。
六話で太宰からもっと長そうな手紙もらってない?
志賀さんのこととかつらつら書いていたけど。
あの手紙は先生のもとに届けられたのかな。
それともあれは太宰の日記?

太宰の本が侵蝕された原因が自分の名を冠した「芥川賞」にあると感じた先生。
ほら、またもう……。
それを言うなら寛も川端さんも一緒でしょ?
(文劇1を思い出してしまいます)
先生は気を遣いすぎなんです。
というか、考えすぎ。

暗闇の中で椅子に腰かけている先生。
え、なに?
と思ったら周囲が明るくなって。

目の前に猫。
後ろに……寛。
なに、これ。
ただじっと耳を傾ける寛。
もう辛いんですけど。

寛、どんな思いで先生を見ているの?
表情に嫌悪感とかはなさそうだけど。
こんな二人、見たくない。

当時の自分を振り返る先生。
どう見たって、どう聞いたって作品を消そうとする侵蝕者とは思えません。
だって必死に戦ってきた先生を見てるんですから。
檀くんを転生させたときなんて、命がけだったんじゃないですか?
作品を守りたい、太宰を救いたい。
その気持ちは本物だったでしょ?

半分侵蝕者なのは間違いないんでしょうけど。

事情聴取が終わったら牢に戻されてしまうんですね。
そんな先生の姿を見る久米とたっちゃんこ。
二人はどう感じているんだろう。
たっちゃんこは辛そうな顔してるけど、久米は?
ここで先生と久米のごたごたはやらないだろうけど。

そして今度は太宰。

ほんとにこれ「藪の中」だ……。

そうだよね、嬉しいよね。
先生に会えて夢みたいだよね。
私だって、もしも目の前に先生が現れたらって考えたら……

ムリ!

太宰の芥川メモリー。
ねえ、作品を消そうとする人があんなこと言いますか?

そういえば。
「走れメロス」と「桜の森の満開の下」はほぼ同時進行だったんでしたね。
メロスの方が少し早かったのかな。
で、先生が自分の責任だとメロスに入って。
続けて安吾の方が侵蝕されてオダサクが行った?

太宰の本なら先生のこと大歓迎だったんだろうなぁ(笑)。

先生、一生懸命に自分探しをしているのに。
ここのBGM切ない。
桜の木の前で安吾が散っていったとき
「これでいい」
って言った先生の声。
それがあの人の作品に対する思いを表していると思うのですが?

続けてサイと寛。
あー、はっきり言っちゃった。
あの先生は「侵蝕者」だと。

とり憑かれたのではなく「侵蝕者」だと。

そして。
やっぱり出てきました。

あの「見知らぬ犬」。

太宰が感じた先生の違和感。
でも晩年は大丈夫になったっていうのも聞いていますが?

蛤!
祝・腐った蛤、再登場!

朔ちゃんも違和感を感じていたのね。
でも戦う姿は本物だったと。

続く「人間失格」。
何度も見た檀くん転生。

同じシーンでも音楽が違うだけで全く違う雰囲気になりますね。
「太宰君を救いたい」
と言った瞬間に流れ始めたメインタイトル。
泣くでしょ、これ。
本編も泣いたけど、この音楽に乗せたらそれはまた全く違う感動です。

ところで。
「地獄変」の回想がまるっと抜けていましたが。

あれは先生が囚われていて助けられる立場だったからでしょうか?
そういえば。
自分が囚われているときの記憶ってありましたっけ?
と、思い返してみると。

「人間失格」で作家に戻った太宰は
「オダサク? 安吾?」
みたいな感じだったじゃないですか。
はっきりと全て覚えているってわけでもない?
うろ覚えくらい?
どんなもん?

でも「地獄変」だけなんですよね。
作中で作家が作家としての自分に戻らなかったの。
太宰も安吾も作家に戻って侵蝕者を倒していたのに。
朔ちゃんはもともと詩人のままだったし。

それがあるから怖かったんですよ、「地獄変」。
作家に戻った先生が、こうしなければ物語が完成しないとか言いながら首をくくりにいくの。

作家に戻った描写がないのはまだいいとして。
屏風の絵があれじゃやっぱりまずいでしょう。
なーんかスッキリしないんですよね「地獄変」。

先生が半分侵蝕されていたからですかね。

屏風の絵といい、志賀のニヤっとした笑いといい、回想から抜け落ちたことといい。
なんかヤダなー。
志賀さん、復活してこないかなー。
けっこう期待してるんですが。

話を戻して。

みんなありがとう。
先生を信じてくれてありがとう。
私がお礼を言う立場じゃないけど。
サイはまた椅子を振り回すかと思うくらい怒ってくれた。

九話の感想で先生は独りぼっちって書いたけど。
いやいやとんでもない。
みんなが信頼して仲間だと思ってくれていた。
泣けてきます。

「急にやってきたあんた達に何が分かるっていうんだよ」

そうだそうだー!
もっと言ってやれー!

と思っていたら。
寛の非情な一言。

「逆だ。今来たから分かるんだよ」

えっと。
新しい言葉が出てきました。

「世界の挟間」

あぁ、先生がいらっしゃった。
今までどちらにおいでで?

っていうか。
異変を感じたアルケミスト、って。
異変を感じてたの?
そもそもアルケミスト、どこにいるの?

広大な農園を作ったり食べ物を出したり。
精神体の文豪が存在していられるこの図書館は一体なんなの?
最初はアルケミストの精神世界かと思っていました。
上手くは言えないけど。
アルケミストの想像の中、みたいな?

「異常を察知したアルケミストが、僕や僕に近しい作家を転生させようとした」

って。

えっと。
異常を感じた時点で記憶のない先生はまだいなかったってこと?
どういう異常かは分からないけど、それで先生を転生させようとしたら、出てきたのは記憶のない先生で。
いわゆる「本物の先生」はみんなと一緒に挟間に閉じ込められたってこと?

それとも先生を転生させたつもりが実は違ってて、そこに違和感を覚えて。
で、慌てて本物を転生させようとしたらできなかったと。
こっちかな?

あれ?
本物の先生たちはアルケミストと交信ができるの?
どうしてアルケミストが異常を察知して、って知ってるの?
アルケミストからの一方通行で挟間に語りかけたりできるのかな。
それとも文豪の脳内に直接……?

外部の力で特定の転生を妨害?

外部?
図書館の外?

「この空間に侵入した侵食者なら転生に影響を及ぼすことも可能なんじゃない?」

そういうのアリですか?
そこまでアルケミストの邪魔をできるの?
図書館に侵蝕者とか、破綻の始まりみたいじゃないですか?

「地獄変」が侵蝕されたとき。
あの不思議な空間が「世界の挟間」だったのですね。
太宰と志賀さんを招いたのが本物の先生……。

彼をどうするか、って。
またしても寛の非情な一言。

「どうするか決まっている」

寛!
ちょっと寛!
みんなの話聞いてなかったの?
(太宰も同じこと言ってた!)
確かに侵蝕者に片足ツッコんでるというか、ツッコまれてるというか、普通じゃないですけど。
戦っていた時の先生は本当に文学と作家を守ろうとしていたんだよ?
自分が侵蝕者なのも最初は気づいていなくて。
それが表面化してきて驚いて自己嫌悪に陥っているに違いないと思うの!
今、すっごく辛い思いをしているはずなの!

でも寛にとっては、それは親友の偽物以外の何者でもないのかな。
親友の姿をしているからこそ許せない?
そもそも、その目の前にいる先生も本物だっていう証拠はあるの?

その先生は作品を書いた時の記憶も感情も何もかもを持っているの?

ってか。
新思潮四人は本物なの??

もしかして図書館を侵略しようと先に乗り込んだ先生が何らかの「不具合」で侵蝕者という記憶が消えてしまった。
でも文学に対する「熱」だけは残っていて、予想外に文学を救い始めたとか。
だから慌てていい感じの嘘を言いながら妙な具合にみんなで転生してきたんじゃないの?
で、記憶が曖昧なのをいいことにアイツを消して自分たちで図書館を乗っ取ろうとか。
そういう算段じゃないの?

だって。
何を元に信用していいか分からないじゃないですか。
基準になるものがない。
だから一緒に戦ってきたみんなは浸蝕先生を信じるんですよ。
そんなみんなを見てきた私も信じたいんですよ。
侵蝕者だとしても。

アルケミストー!
何やってるのー!
猫はアルケミストと連絡取れないの?
館長ーっ!
ちょっと館長ーっ!!
出てこーい!!

「すまない」

ん?

侵蝕先生を作りあげたのは、本物先生?
あぁ……。
また辛い話を聞かないといけないのでしょうか。
いったい、どんな話を?

まあ……先生の内面に迫る話なんでしょうけど。

やっぱりこの新思潮派は本物なんでしょうね。
彼らまで侵蝕者が化けてるってことはないでしょう。
でも。
あまりに寛が冷たいから。
親友を騙られたら怒るのも当然かもしれないけど。

でもやっぱり疑念も残るし。

一人、地下牢にいらっしゃる先生が辛い。

あー、なんという「藪の中」!



そしてエンディング。
見る限り変わってないですよね?
檀くんいない。

そして来週は!
なんと!

「恩讐の彼方に」

ひゃーっ!
きたー!
きてほしかったけど諦めていたんですよ。
テレ東のサイトを見て狂喜乱舞でした。

でも一話だけで終わるようなので。
またタイトルだけで内容(というかテーマ?)が恩讐の彼方に的な感じなのかなと思っていたのですが。
先行カットを見る限り。
太宰と檀くんが潜書していますよね?
背景が岩っぽいし。

ということは寛が!
寛が本の中に!?
えー、どういう経緯なの?
寛は誰になるの?
順当にいけば仇と狙われる方だろうけど。
今の状況を考えると。
仇討ち相手の姿に心うたれてしまう方?
(どっちも名前忘れました)

やっぱり敵討ちを遂行しようとして。
でも太宰に説得されるとか?

その勢いでみんなから信頼されている侵蝕先生を消すことだけはやめてくれる?

一話で終われるの??

2020/02/24:追記
やっぱり寛は討たれる方ですかね?
覚悟はできているのに赦されてしまって、その心をくんで侵蝕先生の存在を消すことだけは留まってくれるとか?
どんな改変にくるかといえば、やっぱり敵討ちを遂行しようとするんだろうけど。
赦されるっていうのとはちょっと違うけど。

先行カットでは侵蝕先生、地下牢から出てるよね?
っていうか、寛はもう転生してるんだから何が起こって彼の本が侵蝕されちゃうの?
もうホントにどきどきです。
:追記終了

しかも。
第十一話の放送される7月24日は河童忌(先生の命日)ではないですか!
お墓参りされる方も多いんでしょうね。
私も落ち着いたらまたお参りに行きたいです。


さあ、お待ちしておりました。

文豪グルメ
[男の威信とライスカレー編]

たっちゃんこと久米!

食べながらもごもご言ってる久米かわいい。
カレーにまで先生と自分を重ねてしまう久米。
相変わらずだなw

なんだか福神漬けがとても意地らしく思えてしまいます。
いや!
福神漬けがあるからこそのカレーじゃないですか!
……って、やっぱり主役を立たせるわき役か。

福神漬けの矜持!



また今週も何度も何度も見るはずなので。
思いついたらまたいろいろと追加すると思います。

アニメの図書館はヒリヒリしているので。
ほがらかな様子を。

騎手ノ手解キ – 菊池寛 Lv.1

騎手ノ手解キ – 菊池寛 Lv.3

「小気味よく鳴る蹄の音が、心を落ち着かせる。
 青葉を揺らす心地良い風を切りながら散歩を楽しもう」

聖夜ノ贈物 – 久米正雄 Lv.1

聖夜ノ贈物 – 久米正雄 Lv.3

「大きなツリーも飾られて、いつもより賑やかな図書館。
 皆さんにとって、素敵なクリスマスになりますように」

十話を見直して。
「恩讐の彼方に」も読み返しておきます。



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