吉宗評判記 暴れん坊将軍
1978年~2002年
子どもの頃は家族でよく時代劇を見ていましたね。
月曜夜は水戸黄門、大岡越前、土曜夜は暴れん坊将軍。
桃太郎侍と大江戸捜査網はどこだっけ?
暴れん坊将軍をリアルタイムで一番見ていたのは、じいが加納五郎左衛門、辰五郎の奥さんがおさいの頃なのでシーズン1から2あたりなんでしょうね。
その後はリアルタイムか再放送かはっきりしませんが、いろんな俳優さんの「じい」を覚えているのでそこそこ見てはいたんだと思います。
ほんと、新さん大好きだった!
そんな「暴れん坊将軍」。
数年前に時代劇専門チャンネルで初期の頃の放送を見て、上様のあまりの若さとカッコ良さに今さらながら惚れ直してしまいました。
だって、ほんとシュっとしててかっこいいんだからー!
あんな人に町中で助けられたら、そりゃあもう惚れないわけがないですよ。
ってことで、去年あたりからまた第一話からの放送が始まった「暴れん坊将軍」をとりあえず1は全て録画する勢いで見ています。
といっても、どうにもレコーダーの調子が悪いのか他の影響なのか。
すでに何話か録り損ねていたりするのが悔しいのですが。
少し前にネットで伝説回が放送されると話題になっていましたね。
私はてっきり幻の太鼓の回のことかと思っていたのですが、シリーズ後半の方の彗星が落ちてくるみたいな話だったのですね。
でも確かCSでは話題になる少し前に見た記憶があったので、あれは地上波での話かな?
そんなふうにネットで一部でとはいえ、話題になるくらいにはいまだ人気あるのかなと思うと嬉しいよね~。
ちなみに幻の太鼓の回はシーズン1の第108話「将軍に命令する男」。
最近になってフィルムが発見されたそうで、これが時代劇専門チャンネルで放送されるときはずっと「幻の第108回」とかってCMをやっていましたね。
いつ頃だったかな、去年か一昨年あたり?
でも意外に第一話を知っている人って少ないのかも、と思ったのでご紹介したいと思います。
というか、紹介させて!
め組の辰五郎はどうして新さんの正体を知っているのか、上様と忠助はどうしてあんなに仲良しなのか。
暴れん坊将軍を見ていると当たり前のように描かれていますが、そのきっかけは何? っていうのがけっこうあると思います。
ほんとにね、「いいはなしだなー」っていうのがたくさんあって。
ハードは録画された暴れん坊将軍でいっぱいで、寝る前にいつも一話分くらい見ているのですがね。
あー、日本人でよかった……とか思ってしまいます。
癒されます。
もちろん痛みや切なさを残して終わる話もあるのですが、基本的には笑顔で終われるのが多いですよね。
いまさら暴れん坊将軍かよ、って自分でも思ってしまうのですが。
でも同じようにいまさら好きになってしまった人がいるかもしれない。
そんな人が一人でも読んで
「へー、第一話ってこんな話だったんだ」
と思ってくれたら万々歳なのです。
あ、時代劇の知識とかほとんどありません。
間違ってること言ってたらごめんなさい。
文字だけだと疲れるかと思って絵も入れてみました(笑)。
マウス描きなうえアレですけど細かいところはツっこまないでください。
第一話 「春一番! 江戸の明星」
オープニングクレジット
徳川吉宗:松平健
山下幸内:浜畑賢吉
大岡忠相:横内正
おさい:春川ますみ
おその:夏樹陽子 / おまち:岐邑美沙子
藪田助八:宮内洋 / 源三:園田裕久
ナレーター:若山弦蔵 / 常:阿波地大輔 / 鉄:井上茂
加納五郎左衛門:有島一郎
辰五郎:北島三郎
紀州藩江戸屋敷
「殿! 殿ぉー! 天下の一大事でござる!」
と邸内を慌ただしく走って弓の稽古をしている吉宗の元へやってきたのは「じい」こと加納五郎左衛門。
どうやら吉宗が八代将軍になることが決まった様子。
先代将軍は幼年のため世継ぎがいなかったことから御三家の出番です。
御三家は尾張、水戸、紀州のこと。
もしも将軍家の血が絶えた時はこの御三家から次の将軍になる人を選ぶっていう、いわば保険のようなもの? と私はざっくりと覚えていました。
もちろん他にも重要な役割はあったのでしょうけど。
でもそれを聞いた吉宗は即お断り。
権力争いの道具になるのはイヤだよ、俺は紀州の民を幸せにしなくちゃいけないからね、と。
でも、五郎左衛門(以下、じい)も負けてはいません。
その権力争いで今や財政は底をつき、煽りを喰らって苦しんでいるのは庶民です。
紀州の民を全国の民に置き換えて考えてみなされ。
それを聞いた吉宗は
「やってみるか!」
かくして暴れん坊将軍の誕生です。
場面変わって江戸の町。
「えれぇことになったぞー!」
と、こっちで騒いでいるのは鳶の辰五郎。
第一話ではまだ火消しではありません。
「吉宗様が将軍様におなりになすったんだよ」
どうだ驚いたろうと言わんばかりの辰五郎ですが、それを聞いても鳶辰一家のみんなは「あ、そう」とそっけない。
辰五郎によると
「吉宗様と俺は部屋住みの頃殴り合いの大喧嘩をした仲だぞ!」
とのことで、どういう経緯なのかは分かりませんが(また吉宗が町をうろついている時の偶然の出会いだったのかな?)すでにこの二人は知り合いだったのですね。
でもみんなは辰五郎の言葉なんて信じてはいない様子。
町の鳶がお殿様と知り合いだなんて、馬鹿言ってんじゃないよって笑われて終了。
以後、ちょくちょく辰五郎は「将軍様とお友達」という妄想癖があると思われてしまいます。
そしていよいよ吉宗が正式に将軍として江戸城に向かう行列が町を通ります。
もちろん辰五郎も行列を見ようと出てきました。
仰々しく列は進んでいきますが……
一人の女の子が「将軍様!」と直訴状を持って籠に走り寄っていきました!
辰五郎もびっくり。
速攻で斬リ捨てられても当然の状況です。
当然、そばにいた侍が女の子を斬ろうとするのですが身を挺してかばう辰五郎。
その様子を籠の中で見て懐かしさからか思わず笑みの出る新将軍吉宗様。
辰五郎も一緒に斬られそうになったところで
「待て、このよき日に予は血を見とうない。
その娘はそこの男に預けておく。よいな」
と声をかけます。
ことなきをえてホっとする馬上のじいと、行列見物の町人にまぎれていた御庭番の助八とおそのでした。
お城に入った吉宗はお庭番からさっきの子が油問屋「伊豆屋」の娘・千代(12歳)と聞きます。
父親が三度にわたる油蔵火付けの頭目として南町奉行所に捉えられているとのこと。
千代はその無実を訴えての直訴でした。
南町奉行所では伊豆屋が拷問を受けています。
火付けを指示した証拠の書付もあると見せられますが、伊豆屋はそんなものは知らないと無実を訴えていました。
そこにお奉行がやってきて、「石を抱かせろ」。
なんとしても伊豆屋を下手人にしたいようです。
さて、尾張大納言宗春が出てまいりました。
将軍の座を吉宗に取られて不機嫌MAX、なんとしても吉宗を追い落とすことに執念を燃やす男です。
その宗春にへいこらするのはさっきの拷問場面に出てきた南町奉行。
これがいかにもずるい感じの小悪人面です。
お城では将軍様とお偉いさん達の顔合わせが行われていました。
みんなが頭をこすり付けている所に出てきて「御簾を上げい、みなのものも顔を上げい」という吉宗。
それにびっくりのじいと、「え、上げちゃっていいの? いいの?」みたいな感じのみなのもの。
こういう時は御簾越し、顔も上げないのが普通だったんでしょうかね。
後ろの方には大岡忠助もいました。
その顔を見て嬉し懐かしくなっちゃったらしい吉宗。
忠助が山田奉行(伊勢方面の訴訟やら治安やらいろいろ担当、伊勢神宮を守ったりとかも)の頃、吉宗は禁漁の池で釣りをして忠助にとっちめられたとか、みんなの前でいきなりの暴露話をしちゃいます。
ここで吉宗はあの小悪党っぽい南町奉行に町の様子を聞きます(忠助はこのとき普請奉行かな?)。
南町奉行は町は平穏ですと答えるものの、それを信じられないらしい吉宗は忠助に意見を求めます。
おそれながらと忠助が言うには、町民百姓は困窮を極めているとのこと。
苦虫を噛み潰したようなお奉行の顔が……(笑)。
お食事の時間。
そりゃあ将軍様のお食事は豪華なのですが、それを見た吉宗は
「これから食事は一日二回、菜も一品でいい」とまかない担当の者に言います。
それを聞いたじいは感激。
自分が預かった暴れん坊の若様(幼年期はじいの所で育てられたらしい)が立派な将軍様になったことが本当に嬉しいご様子。
幼名は「源六」なのね。
余談だけど、後のシリーズで赤ちゃんを一時引き取った新さんがその子の名前を「源六」ってつけるエピソードあったよね。
喜ぶじいではありますが、吉宗はやっぱり暴れん坊のままでした。
どうしても油問屋の親子が気になるらしく、お風呂に入るふりをしてお庭番と一緒にお堀から舟に乗って城を抜け出してしまいます。
これより後、吉宗が「湯の用意をせい!」と言うと「城を抜け出すぞ」という意味になりました(笑)。
そうして夜の町を歩く吉宗は湯から帰ってくる辰五郎に会います。
びっくりして土下座しちゃう辰五郎ですが二人してとっても嬉しそう^^
町にいる間は「貧乏旗本の三男坊、徳田新之助」という設定が本人の口から出ました。
お城を抜け出した理由も助けた女の子のためと聞いて感激の辰五郎なのです。
さっそく辰五郎の家にお邪魔して千代の直訴状を読む吉宗。
千代に詳しい話を聞くと
お父さんが捕まったのは十日前。
どこぞからのタレこみがあったらしく、しかも文箱から火付けを指示する書付まで出てきてしまった。
でも千代はその少し前に文箱を開けていて、そんな書付は入っていなかったと言うのです。
それから奉行所やいろんな所に訴えたけど誰も取り合ってくれない、仕方なく将軍様の籠に直訴してしまったと。
辰五郎の妹おまちと奥さんのおさいは、千代を助けてくれたのはいいけど放りっぱなしで将軍様も酷いわよねと悪口大会。
焦る辰五郎とまいったな状態の吉宗、今後このシチュエーションはお約束になりました(笑)。
もしかしてお父さんを捕まえに来た南町の同心が文箱から書付を出したふりをしたのかという疑惑が出てきます。
すると辰五郎は油蔵が燃えた時のことを思い出しました。
若い連中と火事場に駆け付けたけど、油蔵というわりには油があまりなかったかのようにあっという間に火が消えたというのです。
油蔵に入っていたはずの油が実は入っていなかった?
油はどこいった?
何やら陰謀の匂いがしてきました。
さて。
油蔵が燃えたおかげで世間では油不足。
油屋さんの前には大勢の町人がおしかけますが戸は閉じられたまま、でも裏口からはちょろちょろ出入りする人の姿も。
そんな裏口の様子を鳶辰一家の者に見張らせ市井を歩く新さん。
その後をつけていく編み笠の浪人らしき者が一人。
侍が油屋を回っているのが気になるらしい。
油の値をつり上げた者がいるとしたら許せないと言う新さんに
「悪の元凶を絶たないとだめだ」という浪人。
悪の元凶とは?
と問うと
「将軍だよ」
と言ってどこかに行ってしまいました。
新さん、ちょっとショックです。
浪人は近くの長屋に住んでいる山下幸内という軍学者でした。
ナレーションによると将軍吉宗に歯に衣着せぬ直言をしたへそまがりとして今も歴史に名を留めているそうです。
幸内さん、この後たびたび出てきますね。
もちろん新さんの正体は知りません。
油屋周りの新さん、ある店だけ「安い時に仕入れた油だからね」とみんなに売っている店を見つけます。
と、そこに荒くれどもが乱入してきて店内で暴れ始めました。
新さんは男の一人を取り押さえて
「誰に頼まれた! 言え!」
と乱闘が始まります。
同時にどこからか三味線の音が聞こえてきて、お庭番の登場、かっこいーっ!
お庭番大好きなのです。
でも輩は逃げてしまいました。
あちこち回って怪しい店五軒を書きだした新さん。
その五軒に絞って調べてみるかと、夜の町を歩きだそうとするとまたもや編み笠の男。
と思いきや、大岡忠助でした。
彼も油騒動を探っていたらしいのです。
さて、五郎左衛門。
南町奉行を呼び出して、上様は油の値上がりと火付けにいたくご心痛のこと、迅速に火付けの下手人を捉えた奉行所の功績あっぱれとしていると伝えます。
ただし、一件落着の前に伊豆屋の身に何かあれば即お役御免にせよとのこと。
吟味には気を遣い、決して拷問などしていないとしらばっくれるお奉行。
石抱かせてたくせに、お主も悪よのう。
戻って密談をするのは南町奉行と、伊豆屋の捕り物で証拠の書付を見つけたという同心。
この二人はグルで、やっぱり書付は偽造の証拠だったのですね。
このままでは伊豆屋を死刑にはできないかも、という同心に「自然死なら問題ない」というお奉行。
「例の手」を使うらしいです。
つまりは油の値を釣り上げたくて火付けをして、その責任を伊豆屋一人に押し付けようと。
でもなんで伊豆屋が選ばれたんだろう。
煙たかったのかな、可哀相……。
「例の手」とは同じ牢に入っている者を使って枕で窒息させることらしい。
寝ている伊豆屋に忍び寄る罪人たち。
お父さん危ない!
……ってところで
助八きたー!
御庭番、いつの間にか牢屋に紛れ込んでいたのですね。
命は助かりましたが、伊豆屋のお父さんは相当弱っている様子。
このままではいずれ死んでしまうかもしれない。
五軒の油屋からも何の尻尾もつかめない。
飲み屋でおそのからの報告を受けて悩む新さん。
かといって将軍の力で伊豆屋を解き放ちにしてしまうことも許されることではない。
けっこう手詰まり状態です。
そこへ辰五郎がおまちと千代を連れてやってきます。
その千代、いきなり手近にあった灯り用の油を指ですくって舐めはじめました。
火事で燃えたとされる油の中に伊豆屋の油も百樽ほどあったらしく、それが実はなくなっていたかもと聞いてからどこに行っても油を舐めるようになったとか。
伊豆屋の油は菜種とごま油が入っているから他とは違う味がするそうで。
すると
「この油、おとっつあんの油!」
と言い出した千代。
店のおかみにどこでこの油を買ったのか聞いてみると、みんなに安く油を売っていた秋田屋との返答。
あれ? 新さんが助けた油屋かな?
その秋田屋を訪れてゆさぶりをかける新さん。
「善良な油屋とみせかけるため安く油を売るとはご苦労なこったなぁ。お前が売った油は伊豆屋の油だ」
慌てる秋田屋と、その障子の奥に人影。
新さんがばっさり障子を斬るとその向こうには南町奉行と例の同心が。
悪役揃いました。
お奉行はまだ新さんが将軍と気づいていません。
「殺せ!」の命令で用心棒たちとの乱闘になりここでまた三味線の音とともにお庭番登場、なんと編み笠の忠助まで登場。
剣の抜く吉宗を庇うように立って
「ここが潮時のようですぞ、誰やらに似たお人」
もう、忠助かっこいいんだからー!
吉宗もこれにはクスっと笑って「御免」と残して姿を消します。
初回では
「予の顔を見忘れたか」
「予じゃとぉ~?」
のやりとりはまだないのですね。
後日、お城では。
南町奉行が呼び出されました。
褒められるかと思いきや、秋田屋の話を持ち出され、顔を上げてみればあの時の若侍。
えぇええーっ!?
って顔のお奉行。
最初の謁見のときはあまり上様のお顔拝見していなかったのかな。
狼狽してばたばたと外に逃げ出すお奉行。
でもすぐにお庭番やお側控えのものに囲まれて、追ってきた上様に刀を向けるも扇子で額をパチリとされてあっという間に取り押さえられてしまいました。
落ちた脇差(?)を一度拾ってお奉行の前に投げ捨てる吉宗。
その意味を悟ったのか、お奉行はそれで切腹してしまいました。
そして残った悪役、あの同心と秋田屋。
お奉行に呼び出されて来て見れば、座敷にあったのはお奉行の遺髪と刀。
そこに颯爽とお庭番の二人がやってきてバッサリと斬られてしまいます。
それから数日後。
大岡忠助が南町奉行に任命されました。
同じ日、伊豆屋がまた看板を上げることに。
店先で元気になったお父さんと嬉しそうな千代が油を売っています。
そんな江戸の町の様子をお城の上からにこやかに眺める吉宗でありました。
エンドクレジット
松本甲斐守:金田龍之介
鬼沢兵衛:天津敏
秋田屋作兵衛:伊沢一郎
伊豆屋治兵衛:武内亨
お千代:佐藤美鈴
尾張大納言宗春:中尾彬
エンディングでは真っ先に山下幸内が出てくるし、オープニングクレジットでも吉宗に次いで二番目に出てくるってことは、最初はかなり重要な役って感じだったんでしょうね。
所々で現れては新さんに苦言を呈してますが、いつの間にかいなくなってしまいましたね。
いなくなるエピソードあったかなぁ?
ドラマの中ではずっと新さんの正体を知らないままだったと思いますが。
これからもちまちまと書いていきたいと思います、カテゴリー作っちゃったし(笑)。
あぁああああ、やっぱり暴れん坊将軍は面白いですー!
Related Posts
スポンサーリンク