「文豪たちと新潮社展」

2017年11月22日(水)~26日(日)
会場:la kagu(らかぐ)
主催:(株)新潮社

DMMのゲーム「文豪とアルケミスト」と新潮社がコラボした展示会です。

夏目漱石、太宰治、谷崎潤一郎などの誰もが名前を知っているであろう文豪たちの新資料が新潮社関係者の自宅から発見されたそうです。
それを一気に展示してくれるというもの。
いずれはそれぞれの文学館や資料館に収められる予定とのことで、その前にまとめて見られるチャンスです!

そして合わせて刊行されたこちらの本


『「文豪とアルケミスト」文学全集』

公開された資料はこちらの本にも一部掲載されています。
すごいのは谷崎潤一郎の「続蘿洞先生」の直筆原稿が全て載っていること。
直筆で作品を読めるとか、びっくりしました。

私的に感動したのは芥川龍之介と夏目漱石の往復書簡です。
学生の頃に読んで漱石の優しい語り口に心をうたれたというか。
感動していました。
それをまとめて読めるのは本当に嬉しいです。

なんだ、ゲームの本か……
なんて思っていたらもったいないです。
むしろゲーム内の要素は扉絵にチラッと出てくるキャラ絵くらい。
あとは全て本気の文学書です。



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お知らせが出たときにチケット制ということで。
どんな感じなのかなと思いつつ抽選に申し込んでみました。
無事に当選でよかった~、と思っていたら。
当日でも十分に入れたようです。
当日券はちょっと価格が高くなっていたようですが。

会場の場所は新潮社もある神楽坂。

九段下の学校に通っていたので神楽坂とか神保町ってとても懐かしい響きです。
大学の頃は神楽坂で飲み会とかしてましたっけ。

そんな懐かしい気持ちを抱えつつ。
ほんと何十年ぶりかで神楽坂へ出かけてみました。

会場になっていた「la kagu」は、元は新潮社の書庫だったそうですね。
迷わずに行けるかなと方向音痴の不安を抱えながら地下鉄東西線・神楽坂駅の2番出口の階段を上っていくと。
外に出た瞬間、前方に建物が見えました。
よかった、すぐそこだ~。

ちなみに左に行くとすぐにかもめブックスさんがありました。
カフェと本屋さんが一緒になっているお店です。
名前は以前から知っていたのですが、ここにあったのね。
寄って見たかったけど時間もなかったので断念。

私は12時の回。
15分くらい前について、とりあえず建物に入ってみました。
直接2階へ行ける外階段もあったのですが、まずは一階の入り口から。
一階はレストラン(カフェ?)と雑貨や服などを販売。
2階でもおしゃれな雑貨がありました。
えっと、お値段けっこう高めのものもありましたね。

12時の回に入る人はさっきの外階段から上がってきたところで一度整列。
十数人くらいだったかな?

ちなみにこの日の午後にイシイジロウさん(「文豪とアルケミスト」世界監修)がいらっしゃっていたらしいですね。

チケットは電子チケット。
携帯を見せて入場です。
会場自体は学校の教室と同じか狭いくらい?
でも人数も少なかったのでゆっくりじっくり見られました。

入場の時にもらった文芸地図



入ってまずは夏目漱石関連の資料です。
絵葉書とか原稿とか。
ちょっと読みづらい字だったかな。
絵葉書に書かれているコメントがお茶目で可愛い。

なんかね。
本当にこれを漱石が書いたのかって想像するだけで、もう言葉にならない感動というかなんというか。
んー、うまく説明できないけど、すごかったです。

菊池寛から芥川龍之介への葉書も、実際に本人同士でやりとりされたものというのがホントにすごい。
語彙が少なくて申し訳ないけど、ホントにすごいとしか……。
だって、これを菊池が書いて芥川が手にしたんだよ?
すごいよね?
もうため息しか出ません。

彼らはどんな声をしていたんだろう。
芥川と菊池の動いている映像はあるけど、声ってないよね。
骨格から声をシュミレーションとかできそうだけど。
聞いてみたいなあ。

そんなことを考えながら見ていました。
入ってすぐのところが漱石関連の展示です。
私は4番目くらいに入ったのですが、やっぱり最初のところに人が溜まってしまう感じだったので。
漱石はさっと見て先へ。

太宰、谷崎、藤村、二葉亭四迷……。
それぞれの筆跡を見るのが楽しかったです。
とくに啄木の書簡。
字が元気な感じで、確か十代の時のものだったかと。

文豪それぞれの原稿用紙も個性的でした。
谷崎の罫線が黄色っていうのも、あれはずーっと見ていると目がチカチカしちゃいませんかね?
各文豪の原稿用紙を模したノートとかメモ帳なんかがあったらいいのになあ。

一通り見て再び漱石コーナーへ。
会場内にいたのは多分十人前後?
時間は一時間と限られていたのですが……短かったです!
最初、会場に入った時は思ったより狭い感じだったので一時間はちょっと持て余すかな?
なんて思っていたのですが。
書かれた原稿を読もうとするとけっこう苦戦して(笑)。
ホントにあっという間の一時間でした。
パンフレットとかあればよかったんですけどね。
ほしかったなあ。

お土産は漱石の絵葉書セット


入場時間と日程にもよるのでしょうが、私が行った時は人も少な目で本当にゆっくりじっくり見られました。

今度は文芸地図を見ながら、また神楽坂を歩いてみようかと思います。
その時はかもめブックスにも寄りたいな。

本来は出不精で、休日は家に籠っているのが当たり前だったのですが。
最近は、特にこの一年はゲームのおかげであちこち出かけるようになりました。

現在は田舎住いなので都内に出るとなるとちょっと時間とお金がかかってしまうのがなんとも残念ですが。

ゲームの方でも展示会とのコラボ内装が出ました。

夏目漱石の自画像


「僕の肖像を鏡へ向いてかいたらこんなのが出来た。
 中々好男子だ」

ブランギンの絵の模写


「何ダカ分ラナイ画ニナリマシタ
 モトハ「ブランギン」デス」

どちらも「文豪たちと新潮社展」会場のラカグで絵葉書セットとして販売されていました。

さて。
以下、ほんとにオマケ。
「文豪たちと新潮社展」を出てからはドームシティで開催されている
「天野尚 NATURE AQUARIUM展」へ。
私も以前、天野氏の手掛ける水景に憧れて水草水槽をやっていたので。

来年の1月14日までやっているので。
近くに行って時間があったらぜひぜひ行ってみてください。
展示されている水槽には癒されます。
また、彼の最後の大仕事になったボストンにある全長40メートルの水槽の映像は圧巻です。

最後は池袋へ。
ずーっと気になっていた梟書茶房に行きました。
ここもカフェと本屋さんが一緒になったようなお店です。

店内には本や雑誌があって好きなものを選んで読めます。
ちょうど気になっていた「東京人」の永井荷風特集の号があったので読みふけってしまいました。

もちろん、本の販売もしているのですが。
コレが面白いんです。
カバーでタイトルが隠されていて、何の本なのか分からないという。
そのカバーにざっと内容を説明した文章や、「〇〇な気分の人はこれ」みたいなことが書いてあったりします。
斬新な販売方法です。

また都内に出たときは行ってみたいなあ。
うー、田舎住まい辛い。
実家帰りたい(笑)。

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