子供の頃から本を読むのが好きでした。
覚えている限りで最初にハマったのは小学校の図書館にあった子供向けのルパンシリーズでした。
はっきり言っちゃえば、初恋はアルセーヌ・ルパンだったんじゃないかな。
ルパンをきっかけに探偵小説ばかり読むようになりました。
小学校から高校にかけて、ルパン、ホームズ、ポアロ、金田一……他にもいろいろと読んでたなぁ。
大学では国文学で、芥川龍之介のゼミにいました。
芥川の作品では「河童」が好きなんです。
河童の世界がいろいろと衝撃的で、とくに妊娠している奥さん河童のシーン。
医者がお腹の中の子に「生まれてきたいか?」って聞くと、こんな世の中に生まれたくないみたいなことを言うのですが、すると医者は薬を使って子どもを消してしまうのです。
他にも働けなくなった河童を食肉にしてしまったりとか、けっこうショッキングでしたね。
大学時代には授業で必要だったせいもありますが、かなりの日本文学作品を読んだと思います。
内容は忘れちゃったものも多いですが(笑)。
「本を読むこと」というより「本」自体が好きでした。
そのせいもあって、就職は本に関するところと決めていました。
印刷会社、出版社、書店……。
いろいろ考えて選んだのは、実際に本を作っている印刷会社でした。
会社見学に行って初めて生原稿を見た時の感動!
そしてそれを自分たちの手で本にしていくという仕事。
これしかない! と思って印刷会社に就職。
楽しかった、ほんと楽しかった。
残業で終電が続こうが、休日出勤しようが、とにかく仕事は楽しかった。
私は電算部にいて、詳細は割愛するけど、つまりは今でいうDTP。
パソコン画面で紙面を作っていくようなもので、まあ今みたいに出来上がりの紙面イメージを見ながら作業するという分かりやすいものではなく、もうほとんどプログラミングでした。
画面にはひたすらHTMLみたいなコードが並んでるだけ、それをコンバートみたいなことをして紙に出力して初めてどんな紙面になっているか確認できるの。
まあ数年後にはちゃんと画面で見ながら編集できるようになりましたけどね。
手書きの生原稿も、私が入社した数年後にはほぼ絶滅。
ワープロで出力した原稿になり、ワープロのデータで入ってきて、そのうちパソコンのテキストデータが当たり前。
ついにはメール添付でくるようになったりして。
あ、当時はパソコン通信だったなあ。
時代の流れが速かったですね(笑)。
今でもやっぱり本が好きです。
もしかしたらこの先、電子書籍が当然で紙の本なんて贅沢品になってしまうのかもしれないけど。
どうしても電子書籍はダメです。
紙のいろんな種類や書体の違いを感じたい。
新しい本の匂いをかぎたい。
ページをめくる音は、読むペースによって千差万別です。
ゆっくりめくる、ぱらぱら早くめくる……。
カバーを外して中の表紙を見てみると、以外に悪戯心が見えたりします。
ハードカバーの布張り、なんて贅沢なんだろう。
糸しおりの色や、自分で買うしおりも楽しい。
とにかく本はいい!
実際に本があるとかさばって大変なのも分かるけど、本好きにとってはそれこそが至福なのです。
あ、漫画も大好きですよ?
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