文豪とアルケミスト・審判の歯車
第三話「桜の森の満開の下」後編

前編を見終わって、一週間長いよ~。
なんて思っていても。
過ぎてしまえば
え? もう明日?
くらいにはなっています。

いよいよ侵蝕者との戦いです。
安吾、待ってて!

今の私にはこれが毎日の糧。



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得物をはじき飛ばされて危機一髪の太宰。

そこに……

きたー!
芥川先生ー!!
かっこいぃいいいいーっ!!
姫を助けに来た王子かよ!
白馬には乗ってないけど王子かよ!
(1話で馬車には乗ってたけど)

厳しいお顔がまた素敵です、先生……。

先生の剣は刃にギザギザがついていて相手の刃を止めることができるのね。
ゲームやってても「なんでギザギザ?」とか思ってたけど。
便利です。

「一応聞くけど、心中じゃないよね?」

先生、ちょっと気が抜けますからやめてw

坂口安吾、って言われても何の反応もナシ。
本当に登場人物になってしまっているんですね。

首を持った安吾をそのまま行かせてしまう先生。
ここで彼を止めても物語は正常には終わらない。
太宰はすぐにでも安吾を連れて帰りたいのでしょうが。
ここはこうするしかないよね。

芥川先生、冷静で素敵です。

OPが終わって。

待ってました!
藤村のレクチャータイム!

今回は「桜の森の満開の下」のあらすじ説明。
これなら本を読んだことのない人でも安心です。

しかし。
山賊の安吾が生き生きとしていて、楽しそう。
罪悪感のかけらもない。
これも自給自足。

確か女房が数人いたはずですが、そこはスルーかな?

山を離れて都に移った二人。
でも惚れた女は生首でごっこ遊びをしてしまうとんでもない趣味の持ち主。
男にもっと首を持ってこいとか言ってしまう。
言われるままに夜の都を徘徊しては首を取ってくる男。

悲しく恐ろしい話
という藤村に対して

あれは安吾の理想の生きざま
という中也。

堕落論というのがなかなか理解できないのでなんとも言えないのですが。
この中也が言うとすごい説得力があります。

物語の中に戻って。

愛しい女房のために首を持ってくる男。
この女の声優さん、すごくいいと思いませんか?
あまり声優さんの演技が上手いなぁとか感じることないのですが。

いえ、皆さん上手だから上手ということをあえて感じさせないというか。
下手な素人みたいな人はすぐに分かるじゃないですか。

でもこの人はすごくいいと思ってしまいました。
女の怖さがにじみ出てくる……。

女に言われて都に来てみたものの、男に都は合わなかったらしく。
このへんのことを理解したくてもう一度原作を読んでみたりしました。

山の暮らしとは大違いの都暮らしに虚しさを感じ、自分と女の考え方?
考え方というか感じ方というか、なんだろう、上手く言えないけど。
そもそも女の夫を殺して自分の女房にしたときから何か違和感を感じていたんですよね?
大勢を斬ってきたからこそ感じる違和感?
本能で

「なんかこいつはやべえ」

とか感じたのかな?
でも山賊はあまり細かいことは考えないから(笑)。

言われるままに殺すだけの毎日。
自分の意思より女の意思。
もちろん都の生活に馴染むこともなく、ただそこに漂っているだけのような自分が虚しい。
そんな生活がずっと続くことに耐えられない?
そんな感じ?

他にもいろいろ考えましたけど。
文字にするのは難しいですね……。

そんな中でふと見た一本の桜の木に懐かしさを覚えて山に帰ろうと決心した男。
原作では女が帰ることに同意しますが。
でもどうせ男が落ち着いたらまた都に帰ってくると思っていましたけどね。

アニメでは
女に
「山に帰るかい?」
と聞かれたときに一瞬出てきた男の回想にちょっと心が締め付けられました。

女房にすると言って家に連れて帰るとき。
原作では男は女をずっとおんぶしていたんですよね。
美しい女を女房にできる男の顔が嬉しそうで可愛いじゃないですか。

そして満開の桜の下で女の首を絞めて殺してしまう記憶。
女を失って孤独になってしまう記憶。

これは明らかに作家、坂口安吾としての記憶ですよね。
それが一瞬出てきて、でも作中の男にはそんなこと分からないから。
なんだか分からないけど帰ったらいけない、という強い不安になっていたんでしょう。
(後で芥川先生も同じこと言ってた)

虚しい生活であっても女といたい。
心の底にある、孤独になりたくないという思い。

膝をついて女にすがる男がすっんごく可愛いくて切ないんですけど。
このシーン大好き。

そんな二人を塀の上から見ている先生と太宰。
太宰、焦ってるなぁ。
強行に物語を進めようとする先生。
こういう手助けはしてもいいのね。

出ました、芥川先生の秘技
蜘蛛の糸

便利すぎますね、これw

女をさらって無理やり山に行く。
ラストさえ合えば過程はどうでもいいのかな?

一方、図書館では。

オダサクが医務室を抜け出して潜書しようとしています。
中也、いい人だなぁ。

オダサクの「連れ」って言葉、好き。

そしてここで語られる無頼派の過去。

きたー!
路地裏映ったとたん、きたー!
って思いました。

バー・ルパン

行ってみたいですね、ルパン。
パウリスタは行ったけど、バーはちょっと敷居が高すぎます。
でもいつか行ってみたいなぁ。

太宰の座り方!
あの写真!
そのまんま!

テーブルにゴールデンバット!

キューっときます!
胸がキューっとします!!

これ、オダサクを撮るついでに自分も撮ってって太宰が言ったんですよね。
太宰かわいい。

夜ノ遊興 – 太宰治 Lv.1
「物思いにふけりながら馴染みの奴らと一献傾ける」

ここでは「現代小説を語る会」の成功を祝しているようです。

ん?
それって「文豪とアルケミスト 文学全集」にも3人の座談会載ってたよね?
関係ある?
と思って見返してみたら。

現代小説を語る会が開かれたのは1946年11月23日。
「文豪とアルケミスト 文学全集2」に掲載。
その後、11月25日に3人で語られたのが「歓楽極まりて哀情多し」。
こちらが同1巻に載っています。

これを読むと、ほんと3人仲良さそうで。
「歓極まりて~」は終始、女の話になっていますが。
安吾とか、それ今言ったら通報案件だから! みたいなのがあったり。

ルパンで話している3人もほんとに微笑ましい。

安吾の話の構想について語る太宰とオダサク、いいよね。
こういうのもっと聞きたい。
アニメ、最高かよ。

話は本の中に戻って。

桜の森の満開の下。
女が縛られてる。
蜘蛛の糸、万能です。

そう。
女が最後にどうして鬼になったのか。
分かりませんでした。
男が消えてしまったのも。

同じ人間でもあまりに価値観の違う相手は受け入れられない。
それが時として鬼に見えてしまう。

あー、すとんときた。

だから自分と女が全く違うことを、古巣に帰ってきて如実に感じてしまったんでしょうか。
自分と女は住む世界が違う、みたいな?

ゲームイベントでの侵蝕者
花片ノ魑魅


侵蝕者の攻撃を背中に剣で受ける芥川先生かっこいいー!
下駄で戦ってるのがまたかっこいいー!

そしてやってきた山賊の男もかっこいい……。
辛いけど。

太宰とオダサクの後ろ姿。
辛い。

相手に合わせてころころ姿を変える侵蝕者、いいですね。

安吾に向かって声を張っている芥川先生。
あー、先生のそんな声、初めて聞きました。
(もしかしてゲームでは言ってるかもしれないけど、ゲーム音声はオフしてるので)

ここで自分のことを思い出す安吾。

って……

えぇええええ?
刺されてる!
いきなり刺されてる!

思い出したのを察知されたの?

いや、大丈夫。
自分の本の中では作者は死なないって、先生言ってた。

あそこで飲んだ2年後って言っていますが。

確かに太宰は1948年6月13日に玉川上水で入水。
(遺体が発見されたのはもっと後らしいけど)
でもオダサクにいたっては飲んだ一か月後に吐血して入院、翌年1月10日に死去。
(オダサクは今回調べて知りました……泣きそう)
ってことは、飲んでいた時点で相当悪かったんですよね。
妙に声が弱くなったりしていたのはそのせいか!
アニメスタッフさん、細かすぎるよ!

安吾が本に囚われているのは自分と太宰のせいだと言ってしまうオダサク。
自分たちが先に死んでしまったから。
そんな後ろめたさなんでしょうか。
仕方ないから。
それ、仕方ないから!

文アル始めたときにどこかでちらっと読んだんですが。
安吾は学校の机だかどこだかに「偉大な落伍者になるんだ」って彫ったとか。
机じゃなくて実は他の場所だっていうのもありましたけど。

そもそも「落伍者」というのがどんなものか分かっていませんが。
目指したものにたどり着くには強い意思が必要になるもので。
でもこの安吾は弱い部分が出てしまった?
二人に先立たれて喪失感に陥った安吾の心の隙間につけ入られたって感じ?

「孤独を知って散る、それは堕ちた人間の美しい生きざま」

なんだろう。
廃退の美学、みたいな感じなんでしょうか?
朽ちていくものの美しさ的な?
違うなぁ、朽ちはしないか。
感覚的には分かるんだけど、言葉にできない。
もどかしいですよね、こういうの。
それを言葉で表現してしまうんだから、作家さん、すごいです。

今の安吾には孤独が恐ろしい。
人間、弱くもなるよね。

そこに飛んでくる太宰の言葉。
「孤独なんて怖がってんじゃねえ!」

それでも安吾は立ち上がれない。

そこにオダサクですよ!
オダサクー!
かっこいいよ、かっこいいよーっ!
オダサクー!!

声も強くなって。
でも実は無理してるんでしょ?
さっきまでフラフラだったじゃないですか。
もう、ほんとに……。

ぜっんぜん関係ないですけど。
オダサクの声優さんのニューヤングTV、フォローしてます(笑)。

ふっ、って笑みを見せて安吾を見る芥川先生。
素敵です。

太宰とオダサクの言葉を受けて立ち上がる安吾。
攻撃でわき立つ煙の中から二本の苦無が侵食者へ……

きたー!
安吾、きたー!!

「俺は、偉大な落伍者になる男だ」

あぁああああああ、涙出ます。
何度見ても涙がじわります。

安吾ぉおおおおおお!
ほっんとカッコいいよぉおおおー!!
ここでメインテーマのBGM入るのも最高ですよ。

安吾、完全復活。
女が涙ながらに頼んでも動じる気配なし。

「黙れ」

あああああああああああ、もう!
くっそかっこいいだろうがぁああああああ!
あんごー!!!

音楽も奇麗なんだってばよぉー!!

桜の花びらになって消えていく女。

「この美しい桜は、光になって俺を照らすんだ
 そうするとよ」

って。

「そうするとよ」
の「よ」がすごい好き。
「よ」!

「俺より先に死ぬんじゃねえよ。寂しいじゃねえか」

そう言って山賊の男も花びらになって消えていく。

美しい……。
ほんとに美しい終わり方。

原作では女を殺してしまったことで愕然とし、揺さぶったり抱いたりして泣くんですよね。
山に住み着いてから初めて男は泣く。
女に会って一緒に暮らすようになって、孤独になることを恐れていたかもしれないけど。
今は彼自身が孤独そのものになったことで孤独を恐れることもなくなった。

孤独は彼自身だから。
孤独を感じるのは、それが自分の周囲にあるから。
つまり、自分の中に孤独を受け入れたってこと?

目の前の女が消えてしまい、そうして男もまた消えていく。
孤独になって生きている意味もなくなったのかな。

残されたのは花びらと冷たい虚空だけ。

アニメは美しく、ほっとした感じで終わったけど。
原作は美しいというよりは恐ろしいほどの静けさ?
花びらの落ちる音さえ聞こえそうなほどの静けさに支配された空間?

そんな感じでした。

「桜の森の満開の下」が無事に浄化されました。
図書館では中也がお待ちかね。

ほんと、いい人だな、中也。

あぁ、戻ってきた芥川先生。
素敵です。

「モモノハナヤロウをからかうために決まってんだろ」
なんて言って、またぁ。
心配してたくせにw

安吾も無事に図書館に到着。
中也、嬉しそうでよかった。

猫と石、アルケミストの代替?

いったい芥川先生はなんなんでしょう。
記憶がないことといい、安吾の本に入れたのもイレギュラーみたいだし。

「この戦いの鍵を握っているかもしれない」

ん?
普通に潜書して浄化していくだけじゃないの?
もっと別の何かがあるんですか?

文劇1を見ていると、また先生が闇落ちしそうで怖いけど。
でもそれがまた楽しみでもあります。
どんな芥川先生も素敵ですから!

タイトルが上下逆転してましたね。
あとで「堕落論」にもう一度挑戦しようと思います。

ああ、ほんとによかった。
3話最高じゃないですか?
三羽烏、舞台でもアニメでも最高です。

三羽烏でこれだけやってくれるってことは。
新思潮も期待していいですか?
芥川が関わってくるだけに、もっとすごいことになるって、期待してもいいですか?

さあ、お待ちかね。

文豪グルメ
思ひ出のあんこう鍋
……じゃなくて
[思ひ出のあんごう鍋編]

文字通り闇鍋作ってるらしい安吾。
またとんでもない代物かと思いきや
とっても美味しい「あんこう鍋」らしいです。

「あんごぉ~」
「フハハハハハ」

安吾の笑い方、最高ですわ。
三羽烏は楽しいなぁ。

おまけ

本の紹介。
「文豪とアルケミスト 文学全集」
持っていて損はないです。
2巻まで出ています。


ゲームの宣伝的な。

アニメと連動してゲームでもイベントをしています。
もちろん今回は

「桜の森の満開の下」」を浄化せよ

イベント連動の装像がこの2枚。
……課金しないともらえません。

桜ノ森ノ満開ノ下 – 坂口安吾 Lv.1
「叢雲を掻き切る無常の刃が、獲物を求めて、夜毎虚ろな都を彷徨う」


桜ノ森ノ満開ノ下 – 織田作之助 Lv.1
「薄暗いバーの片隅、人待ち顔でグラスを傾け、琥珀色の夜に漂う」


同じ絵柄を3枚重ねると強化MAXになってそれぞれ戦闘絵になるのですが。
安吾が2枚、オダサクが1枚でした。

しかしこの安吾、かっこいいです。
たまりません。

報酬の衣装は梶井基次郎と三好達治の平安衣装。
アニメに出ているキャラではないところが憎いです。

梶井基次郎は、桜の下には死体が埋まってるって書いたからでしょうか?
三好達治は梶井の仲良しさん。

梶井基次郎の平安衣装


三好達治の平安衣装


そしてホントにおまけ。
三羽烏のお気に入り装像。

黎明の懊悩 – 太宰治 Lv.1
【さいたま文学館タイアップ記念限定装像】
「朝焼けの光に目をこすりながら万年筆を走らせる。
 額が熱を帯び、髪が乱れても、執筆意欲は留まらない。
 完成まであと少し、言葉が尽きるまで、静かに原稿と向き合い続ける」

この展示会、行こうと思っていたんです。
そのうちに、なんてだらだらしていたらコロナの影響で早期終了してしまって。
だめですね。
思い立ったらすぐに行かないと。

桜花ノ杯 – 坂口安吾 Lv.1
「ひそひそと花が降る。
 肩に積もる花弁を払い、酒杯をあおる」


晴舞台ニ煌メク – 織田作之助 Lv.1
「晴れ着のまま、埃っぽい本棚に手を伸ばす」


ゲームの絵は本当に奇麗で大好きです。

絵も音楽も奇麗なので、ゲームもお勧めしたいんですけど。
1話の感想のときも書きましたけど、最近はイベントがちょっとね。
課金前提みたいなところがあって。
前はこんなんじゃなかったんだけどなぁ。

もちろん無課金でもできますけど。
ちょっと時間かかるかも?

せっかくアニメから新規の方が興味を持ってきてくれるかもしれないのに。
優しいゲームにしようよ。



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